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診療科目 外科
前立腺の病気
 最近、高齢男性に急増している前立腺のお話です。前立腺は男性特有の臓器で、男性ホルモンと関係しています。尿が膀胱から体外へでる道を尿道といいますが、前立腺は、その尿道の膀胱側で、尿道を包むようにしてあります。前立腺の分泌液は精子といっしょとなり、精子を活性化します。思春期頃から徐々に大きくなり、60歳でくるみ大になります。

前立腺の主な病気
前立腺肥大症
 原因は不明ですが、男性ホルモンが関与しているようです。環境的な要因として食生活が魚介類や野菜中心の人に比べ欧米化した食生活をする人に多く見られます。前立腺の中心領域と言われる部分が大きくなり(前立腺肥大結節)、いろいろの排尿障害を起こしてくる病気です。前立腺の肥大は70〜80歳代の男性で約80%に見られますが、排尿障害が起きるのは60歳代で6〜7%、70歳代で10〜12%の頻度です。前立腺肥大症の排尿障害は刺激症状と閉塞症状に分けられます。刺激症状とは、(1)頻尿(昼間8回以上、夜間2回以上)、(2)尿意切迫感(排尿を我慢できなくなる)、(3)切迫性尿失禁(トイレまで我慢できなくなるて漏れること)、残尿感(排尿してもまだ尿が残っていること感じること)です。閉塞症状とは(1)遅延性排尿、苒延性排尿(トイレに行って尿がでるまで時間がかかたり、排尿時間が長くなること)(2)尿勢の減弱、途絶(尿の勢いが弱くなること、排尿途中で一時的に尿がとぎれること)、(3)腹圧性排尿(お腹に力を入れないと尿がでないこと)(4)閉尿(膀胱がいっぱいになっても全く排尿ができないこと)です。なお、これらの排尿障害の程度点数化する国際前立腺症状スコアが作成されていますので、自覚症状がある方はご相談ください。
 治療は軽度から中等度の場合はクスリで症状がとれますが、高度になると手術的治療が必要となります。

II  前立腺がん
 前立腺にできる「がん」です。このがんは、ほかのがんと異なる特徴をもっています。それは潜在がんといって、がん細胞があっても大きくならず、生命を脅かさないがんがおおくあることです。60歳以上の男性の約20%に潜在がんがあるのではと言われています。そして、その中の一部は命に関わるがんに変化します。その率は2〜10%と考えられています。
 前立腺がんは肥大症と同様に食事の欧米化に伴い増加しており、2010年には男性のがんの第一位になると予測されています。予防として、大豆食品の摂取量が注目されており、特に味噌、醤油、納豆などの発酵大豆食品が良いと言われています。前立腺がんは主に前立腺の辺縁領域にできます。
 症状は前立腺肥大症とほぼ同じですが、骨や肺に転移すると、骨の痛みや咳などの症状が現れます。
 診断は血液中の前立腺特異抗原(PSA)の増加の有無を調べることから始めます。少量の採決が必要なだけです。他のがんは血液の検査で早期がんの診断をすることはできませんが、前立腺がんは前立腺特異抗原が早期がんでも高くなり診断に役立ちます。そして、この値が高いと、超音波検査を行い、場合によって、針を用いて組織の一部を取って調べます。
 治療法はがん細胞の悪性程度によって異なりますが、ホルモン療法といって、クスリも有効な治療の一つです。年齢なども考慮して手術も行われます。症状がある場合は是非採血を受けてみて下さい。